松本寛司さん取材【食卓編】
ほとりプレス第2号・松本寛司さんの取材こぼれ話も、いよいよ最終回。
【工房編】【SakuranHanamise編】に続き、【食卓編】をお届けします。
寛司さんのつくる木の作品が、暮らしの中でどのように使われ、変化していくのか。それを知りたくて、豊橋市内の住まいを訪ねました。
台所で出番を待つ道具たちは、ほとんどが過去の試作品。納得のいくまで実際に使っては調整を繰り返し、ようやく商品化に至るそう。
カッティングボードは、食材や大きさに合わせて、数種類を使い分けています。木製のまな板は、包丁の当たる音が柔らかく、しっかり受け止めてくれる安心感もいいですよね。加えて、水切れがいいように、足がついているのも寛司さんのデザインの特徴です。
刻んでいるのは、愛知県田原市のオーガニックファーム『豆に暮らす野の暮らし研究所』から届いた、ルッコラ。
通称“豆研”さんと松本家は、家族ぐるみのお付き合い。私も以前取材でお世話になって以来、豆研さんの大ファンです。(豆研さんのカレーパウダーの紹介記事はこちら)
そうそう、新作のヘラが誕生したのも、豆研さんの「料理をするときに、ペラペラで、いろんな用途に使える形の道具が欲しい」というひとことがきっかけとか。
庭先のテーブルにて。
パンを切り分けるカッティングボードをはじめ、サラダを盛ったプレート、紅茶を運ぶトレイ、ジャムスプーンまで、すべて寛司さんの作品です。
さらに、陶器やガラスなど、別の材質のアイテムと組み合わせて使うと、互いの持ち味がより引き立つとのこと。
器も、野菜も、自然の一部をいただいていると考えたら、とても豊かな気持ちに。
食後には、寛司さんが自分で焙煎しているという、コーヒーを振る舞ってくださいました。このスプーンは、コーヒー豆の油が染み込み、下の器のような明るい色合いから変化したもの。
こんな風に、じっくり木の道具を育ててみたいものです。
さて、3回に渡ってお届けしてきた取材話もひと段落。快くご協力いただいた松本寛司さん、食事を用意してくださった桜子さん、本当にありがとうございました。
ほとりプレス本紙の刷り上がりまで、もう少しお待ちくださいね。